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授業点描

東亜学院中国語学校の授業のようすをご紹介します。

 

速成講座 『蚊とライオン』と「こちらはShāntiánさんです」 2019.11.11

 

 10月期の授業が始まってひと月ほど経ちました。

 

 速成班(「速成講座」が正式名称ですが、「速成班」と呼ぶことが多いのです)が開講して数日、受講生のみなさんご一緒に東亜学院の3階でお昼をとりながら歓談されていました。翌週、それまでのようにお昼を、と、皆さんお弁当片手に3階へいらして、あまりの人の多さにびっくり。…日本語学校の10月生の受け入れで授業がなかった秋休みが終わり、学生たちが戻ってきたのです。皆さん4階の速成班の教室でお食事されたのでしょうか。数日後、東亜学院の様子にも慣れていらしたのか、速成班の皆さん、日本語学校の昼休みがちょっと落ち着く1時過ぎに3階へいらっしゃいました。日本語学校は、午前のクラスと午後のクラスがあり、午前のクラスは12時40分で授業はおしまい。その後、3階でお昼を食べたりおしゃべりしたり、受験の準備をしたり。その隣でお昼をとられていた速成班の誰かが、日本語学校の中国人学生に声を掛けたのでしょうか。日本語でのやりとりがちょっと聞こえてきました。

 

 数日後、「こちらはShāntiánさんです。」ちょっとぎこちない日本語に“Shāntián”だけいやにきれいな発音が聞こえてきました。声の主は日本語学校の学生。どうも仲間に速成班の誰かを紹介したみたいでした。…この速成班の受講生さん、仮に“Shāntián”、山田さん、としておきましょう。

 

 さて。速成班の授業が始まってひと月ちょっと。東亜学院の風物詩が今年も始まりました。授業の前に、後に、学校のそこここで、紙片手にぶつぶつぶつぶつ、みなさん練習をなさっています。日本語学校の学生をつかまえて発音練習の相手をしてもらっている人も。開講3か月めに行われる朗読会で発表する課題文の暗記とその練習です。先生と1対1での特訓も始まりました。

 

 東亜学院の速成講座、とにかく発音を重視します。基本の発音の口の形が自然にできるまで徹底的に繰り返し練習します。…先日も、長く速成講座を担当してくださっているT先生が講師室の椅子にもたれて深いため息。聞くと「疲れた」と一言。それから「口が疲れましたよ」。中国人の先生が疲れてしまう。そのくらい練習します。

 

 先日の朝、先生と1対1 で“大家好!我姓山田。我现在开始朗读。题目是≪蚊子和狮子≫。(みなさんこんにちは。私は山田です。これから朗読を始めます。題は『蚊とライオン』です。)” 一音一音、はっきりした発音での練習が聞こえてきました。口をしっかり開けて発音されているご様子。そり舌音のそり具合もすばらしい。毎年のこの練習の時にいつも耳について離れない部分は“你有什么力量呢?(君にどんな力があるんだい?)”。今までの先生方のモデル発音とともにこのフレーズの響きが耳に残っています。この朗読会の練習を通して、中国語の発音の基本が体にしみつくようだ、といつも思うのですが、言いすぎでしょうか。

 

 この朗読会、日本語学校の学生も1クラス参加して発表を聞きます。…今回の参加クラスは、「こちらはShāntiánさんです。」と話していた彼女がいるクラス。日頃日本語でおしゃべりしている仲間の発表を聞きに行きます。本番は、もうすぐです。

 

速成講座「りー らおしー ざい ま?」                               2019.8.14

 

 東亜学院の教室は、赤坂霞山ビルの2~4階。昼間、2・3階は主として日本語学校の授業が、中国語学校の授業は4階で行われます。教職員の事務所は3階ですが、入口から全体が見渡せるオープンな造りになっています。

 

 入ってすぐのスペースは「交流プラザ」と称し、中国語・日本語の図書、受講生が利用できるコンピューター、コピー機、自販機、電子レンジなどとともにテーブルとイスがあり、自習や補習、受講生同士の交流などの場として使われています。

 

 受講生と教職員のエリアを分けているのは、背の低いカウンター。このカウンター越しに「りー先生いらっしゃいますか」と不安げな声が聞こえるようになった時、新学期が始まったと感じます。

 

 「りー先生いらっしゃいますか」の声に、受講生エリアに近い日本語学校の先生が一斉に振り向き、「この学生はうちのクラスじゃない」という表情になり、次に、「ああ、中国語学校の受講生さん」と思った誰かが「李先生ですね?」と声を掛け、ご当人を呼び、その場は収まります。この時期、日本語学校の学生もまた、慣れない日本語で、あるいは最初から中国語で「りー先生いらっしゃいますか」“李老师在吗?”とやってくる時期なのです。

 

 「りー先生いらっしゃいますか」は、やがて、心もとなげな「りー らおしー ざい ま?」となり、周りの先生方から「もっと大きな声で」と言われ、それも間もなく一音一音丁寧に発音された“李老师在吗?”になっていきます。それがこなれた“李老师在吗?”になった頃、皆さんひとり一人、駐在に留学にと次の地へと飛び立っていかれます。

 

 もちろん、中には中国語の四声がなかなか大変な方もいらして、“李老师”が“Lì老师”(力先生もしくは利先生)や“Lī老师”(哩先生:“哩”は「文句くどくど」や「不満たらたら」という語に用いる字)になってしまうこともあります。それが最後にはちゃんと“李老师”になり、次のステージに向かわれます。

 

 時に、ふらりと立ち寄られたふうの方が“李老师在吗?”と文句なしの発音で呼びかけ、振り向いた中国語学校の先生方が目を丸くし、その方のお名前を中国語の発音で呼ぶことがあります。修了生さんが駐在を終えて、あるいは日本への出張の合間に立ち寄ってくれたとき、です。お仕事のこと、ご家族のこと、一緒に勉強したお仲間のことを、中国語学校の先生方と中国語で談笑していかれます。“りー らおしー ざい ま?”が“李老师在吗?”になった後も、ここまでいろいろ大変だったに違いないと思いますが、中国語学校の速成講座は、そんな皆さんのスタート地点!です。

 

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