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あなたと私の中国語

30                              2014.09.05

声調が覚えられません…と前に書きました(2009年12月号)。綴りは何とかなっても,声調が駄目で本当に困ります。困っている暇があれば勉強しましょう。手足総動員して,何とか覚える工夫をしましょう。

 

電子辞書全盛ですが,紙の辞書はやめられません。例えば,私がもう100回は引いている字“憩”(うう…情けない)は,《现代汉语词典 第6版》では“弃/汽/器”のそばにあります。ということはqiの第4声。辞書の頁を,絵として丸ごと目に焼き付けます。更に「そうなのよ」と周りの人にも話し,目と口と耳で印象を深めます。こうしてコラムに書いたりするのもお勧めです。これで私はもう“憩”は引かなくてよいでしょう(願望)。読者の皆様,ご協力有難うございます。

 

こうした芸当は電子辞書にはできません。画面には,その親字が1つしか出ないのですから。

 

単語を覚える際は,連想の技を使います。例えば「乾燥機」は,お寺の洗濯場を無理やり想像します。所化がたらいでごしごしやっていますね?そのお寺は本願寺で,単語は“烘干机”hōnggānjīなのです。

 

 

29                              2014.06.25

20余年前,北京の学校で。先生が[ちーはーらーさー]という音を発して,何度も課文を読んで下さるのですが,私にはさっぱり分かりません。

 

“去喝拉萨”qù hē Lāsà([チベットの都市]ラサを飲みに行く)? 意味不明。もしかして[はーらーさー]じゃなくて[さーはーらー]なのでは? …だとしたら“去撒哈拉”qù Sāhālā(サハラ[砂漠]に行く)?

 

いや,1字目は巻舌のchīに聞こえる…“吃撒哈拉”chī Sāhālā(サハラを食べる)? それとも“吃喝拉萨”chī hē Lāsà(ラサを食べて飲む)? 謎は更に深まります。

 

翌日解説があって,正解は“吃、喝、拉、撒”chī、hē、lā、sāの由。老夫婦が孫の世話をするお話で,赤ん坊の健康状態を言っていたのでした。「食べる」「飲む」はいいですよね? では“拉、撒”は? お食事中の方がいるといけないので,後はご自分で辞書を引いて下さい。

 

寮に帰って「こういう1字の動詞に弱い」とつくづく思いました。「トイレ」は入門で“厕所”cèsuǒと習いますが,そこでする個別の動作は,なかなか教科書には出てきません。中国語は1字の動詞が嫌というほどあります。そして,暮らしに根ざしたこうした動詞こそ大事に決まっています。

 

サハラやラサより,まずはトイレだ。3歳の子でも使う言葉をまず覚えなきゃ…と誓ったのでありました。

 

 

 

28                              2014.03.25

93年北京。この“通讯”にいつも登場する“姐”のご両親と街へ出ました。お昼に食堂で“姐”がご不浄へ立った時,“妈”が「アワビ好き?帰ったらふかしてあげる」と仰います。私は「そんな高い物もったいない」と一応,いえ何度も固辞しました。それでも“妈”は「今夜はアワビ!」とにこにこ。その晩食卓に上がったのはトウキビでした。アワビは“鲍鱼”bàoyú,“妈”がふかしたのは“苞米/包米”bāomǐで,方言語彙です。「トウキビは“玉米”yùmǐ」と習った私には初めての語彙でした。更に言い訳すると,“姐”一家は東北人で,時々訛ります。標準音のbāomǐには聞こえなかったなあ…それにどっちもふかして食べるし紛らわしい…

 

“妈”はその晩“姐”にそっと尋ねたそうです。「日本はトウキビが高いのかしらね。あんな雑穀をありがたがるなんて理子が可哀相」。私の語学力の方がよっぽど可哀相…

 

 

27                              2013.12.09

10年同居していた中国人の“姐”がいます。時々出張で来日し,来る前には欲しい物を聞いてくれます。今回はお菓子をねだりました。確か3字でAABのような名です。何だったかしら…“沙”がついたはず…あと“鱼”も…。魚の絵だったから間違いない,そうだ!“沙沙鱼”shāshāyúだ!

 

しかし“姐”曰く「スーパーを3軒回ったけど見つからない」。翌日は「店員さんも知らないって」。更に数日して「“沙沙鱼”はないけど“脆脆鲨”cuìcuìshāならあったわよ。ねえ,名前違うんじゃないの?」

 

そうでした。何でもちゃんと声に出してみないといけません。字を見ただけで分かった気になっているから,こういう事が起きるのです。“鲨”は“鲨鱼”shāyú(サメ)という語に使う字。私はこの字を上下に分け,“沙shā+鱼yú”でテキトーな名を作っていました。

“姐”の憤懣:「全くコレ買うのに何日かかったと思ってるのよ。しっかりしてよね。お店で“沙沙鱼!沙沙鱼!”って馬鹿みたいじゃないの。絵だってよく見なさいよ。普通の魚にあんな牙ないわよ。サメでしょ,サメっ!」

 

 

26                              2013.09.09

20余年前,北京の学校で。謄写版手作り教本の第1課は,年とったウマが病院へ…というお話でした。そのウマは番(つがい)らしく,奥さんは「薬が値上がりし,そのうえ職場に請求もできなくなった」と嘆きます。読むごとに謎が深まります。競走馬の話?


1課全て学び終えても獣医は出てきません。同級生らも首をかしげています。先生は先生で「どう?易しかったでしょ」と満足気です。私は辞書でウマの量詞を調べ,思い切って“这匹pǐ老马到底dàodǐ得了déle什么病bìng呢?”(この年とったウマは一体何の病気になったのですか)と質問しました。

 

先生はきょとんとし,すぐ噴き出して“这不是马,是一个姓马的人看病的故事gùshi啊!”(ウマじゃない。「馬」という苗字の人が医者にかかる話だよ)と仰いました。

 

“老”は親しさを表す接頭辞と習った筈です。でも「“马”が苗字」とは想像もしませんでした。今思えば「何の病気か」というのもおかしな質問で,頓珍漢の2乗です。病名聞いてどうするつもりだったのかな… 

 

 

25                              2013.06.11

教科書の編集に携わっていた事があります。登場人物の名付け親はふつう著者の先生です。家族や知人の名を使う著者,何となく決める著者……さまざまです。


「“章子”Zhāngzǐ が気に入ってるから使いたい」という著者がいましたが,共著者から「初学者に巻舌音は難しい」と言われ却下,もう少し読み易い名になりました。


知り合いに“清原里菜”Qīngyuán Lǐcàiという子がいます。素晴らしい名前ではないでしょうか。4字が声調順にきれいに並んでいます。yuánは少し難しい音節ですが,これぐらいは練習しようかな…という気になりますよね。(←なって下さい)

 

ある時,行き詰まった著者に「君の名(Lǐzǐ)はあかんわ」と言われました。初学者には3声+3声の変調が難しい…というのが理由です。“课文”になんか出たくありませんが,腐されて何となくがっかり……

 

 

24                              2013.03.14

10年同居していた中国人の“姐”がいます。“姐”は幼い頃,“姥姥家”lǎolao jiā(母方の祖母の家)で育ちました。“姐”には母方のおばが5人います。“大姨”dàyí(母方の一番上のおば)に始まり,“三姨/四姨/五姨”(母方の3/4/5番目のおば)と続き,おしまいは“小姨”(母方の一番下のおば)です。“二姨”はどうなってるかって? “二姨”に当たる人は“姐”の母上で,従って“姐”が“二姨”と呼び掛ける事はありません。
 

こんな番号制で失礼じゃないのか…と思いますが,“姐”に言わせると日本式こそ失礼極まりない由。私が「淑江おば」や「洋おじ」と呼ぶのを聞くと,どきどきすると言います。中国では下の名前で目上を呼ぶのは大変失礼だそうです。

「番号で呼んでて,名前忘れないの?」と尋ねましたら「まあ大丈夫かな」ですって。ほんとかね…

 

 

23                              2012.12.13

成語の学習書の企画に関わった事があります。釈義と用例だけではありきたりなので,4 字の構造を示してはどうか…という案が編者から出ました。辞典クラスでは見た事がありますが,学習書クラスではたぶん初です。名案と思いました。
 

“四面楚歌”sìmiàn-chǔgēはどう見ても「2+2」ですが,“一衣帯水”yìyīdàishuǐは「1+2+1」です。「1 本の衣の帯(ほどの幅の)水」という構造です。“易如反掌”yìrúfǎnzhǎng は乱暴に言えば「1+3」でしょうか。「掌を反す如く易しい」ですから。


ある日“水泄不通”shuǐxièbùtōng(水も漏らさない)を睨んでいてはたと閃き「これは1+3 で,後の3 字は可能補語でしょうか」とお尋ねすると,編者の先生が哀れむように「成語の成立は古いんですよ。可能補語のような俗な話し言葉は普通ありません。常識ですよ」と仰いました。うう…。

 

 

22                              2012.10.23

学校で初めて手にした教科書は“北京语言学院”Běijīng yǔyán xuéyuàn(現:北京語言大学)の発行でした。課文にもこの語が登場します。主人公が同校に留学するお話でした。yǔyán xuéyuànの発音が曲者で,そもそもyuがü,yiがiだとは気づきません。思い出したところで[×ユーヤン・シュエユアン]とひどい音。先生に何度も言い直しを命ぜられ,よその学校へ留学してくれればよかったのに…と愚痴ったものです。

 

先生は熱心で,更に“女演员”nǚ yǎnyuán(女優)という語を出して,yuやyiの説明をなさいます。こちらも発音はいっかな合格せず,この2語の言い直しだけで授業が終わってしまいました。この世に女優がいなければ…と友人達と嘆息したものです。

 

 

21                              2012.06.19

10年同居していた中国人の“姐”がいます。この“姐”は声が低く,電話でよく男に間違えられる…という話(3月号)の続きです。 

 

93年夏,2人で“新疆”Xīnjiāngに行きました。“石河子”Shíhézǐをバスで移動していると,お年寄りが乗ってみえました。“姐”はすぐ立ち上がり,“大妈,这儿有座儿,您过来坐吧!”(おばさん,こちらに席がありますよ。来てお掛けなさい)と声を掛けました。中国の敬老意識は日本よりずっと強いという印象があります。“姐”もいつも席を譲ります。

 

ご婦人は腰を下ろし,“姐”に向かって一言:“谢谢小伙子xiǎohuǒzi!”(お兄さん有難うね)。

「あはは,“小伙子”だってさ」。笑いを噛み殺す私に,“姐”は怖い顔と低い声で:“笑什么笑?不许bùxǔ跟别人说呀!”(なに笑ってんのよ。誰かに言ったら承知しないわよ)。

 

 

20                              2012.03.08

10年同居していた中国人の“姐”がいます。ある時どこかへ電話を掛け,最後に“谢谢!我是女的。”(有難う。私は女です)と言って受話器を置きました。

 

「???」と思い“姐”に聞くと,先方不在で,出た人に名前と用件を伝えたところ,“我会告诉他的。谢谢王先生!”(彼に伝えます。王さん有難うございました)と言われたそうです。

 

“先生”xiānsheng(…さん)は男性の尊称です。“姐”は低音の魅力で,電話で男に間違われるのは1度や2度ではありません。

 

一応性別を明らかにした後,“姐”はすぐ電話を切ります。相手に“尴尬”gāngà(気まずい)思いをさせて気の毒だからだそうです。さすが慣れている…。

 

相手の性別・年齢・社会的地位などから瞬時に呼称を使い分ける中国語。慣れるまでは厄介です。慣れていても上のような事がありますからやはり厄介ですな…。

 

 

 19                              2011.12.14

英国人宣教師が「神様の祝福がめっきりありますように」「信仰はめっきり大事です」などと言うので,お説教の間じゅう笑いを堪えるのが大変だった…と教会で聞いたことがあります。副詞「めっきり」は顕著な変化にしか使えませんよね。

 

程度副詞“挺”tǐngは,“很”hěnと同程度と思ってはいませんか。正解:“很”より低く,「なかなか」ぐらいでしょうか。北京にいた頃,友人の父上にご馳走になって“挺好吃hǎochī”(←「とてもおいしい」のつもり)と言っていたら,友人に「褒めたことにならない」と注意されました。この友人とはその後日本で10年同居しましたが(例の“姐”jiěです),“姐”もうちの母の手料理を「結構おいしい」と言って,私にたしなめられました。副詞はなかなか難しいです。そして間違いを直してくれる友人は大事です。

 

 

 18                              2011.10.07

同居していた中国人の“姐”jiě(お姐さん)には,質素倹約を旨とするご両親がいます。“姐”は親孝行で,着る物でも食べる物でも「品物が良い」と見ればすぐ買ってご両親に届けます。しかしそれらは箪笥や冷蔵庫の大事な肥やしとなり,見咎めた娘と抵抗するご両親とで時に口論にもなります。

 

私は北京へ行く前にはいつも“姐”とご両親に電話して,要る物がないか尋ねます。お母さんの答えは“日本制zhì的松紧带儿sōngjǐndàir”(日本製のゴム紐)。何に使うのか尋ねると,“裤衩儿kùchǎr都穿旧chuānjiù了,原来yuánlái的松紧带儿得děi换huàn一下!”(ズロースが古くなったのよ。元のゴム,取り替えなきゃ)。電話口ではお姐さんの怒鳴り声が響きました。

 

 

17                              2011.07.01

92年北京。留学生事務室の先生に呼ばれました。「何日も前から名前を貼り出して『事務室に来てね』って言ってるのになぜ来ないのよ」。「えっ?!ご免なさい。見落としてました」と慌てて謝りました。

 

用事を済ませ,改めて掲示を見に行くと“洛河礼子同学”Luòhé Lǐzǐ tóngxué。まさかこれが自分の名とは思いませんでした。確かに発音は同じですが…。それからは何でもとにかく声に出して読むようになりました。

 

父はその昔,学校へ上がって「昭三(しょうぞう)」と呼ばれ,自分はアキラではなかったのかと吃驚したそうです。確かに田舎ではみな父をアキラと呼びます。通称は訓読みで,本名は音読み?変な家…。

 

 

16                              2011.04.01

“差点儿”chàdiǎnr(危うく/もう少しで)という副詞をご存知ですか。使い方が複雑で,私はよーく考えないと(考えても?)駄目です。


1.望まない事:

  ①肯定:¶差点儿迟到chídào了。

  ②否定:¶差点儿没méi迟到。どちらも「危うく遅れるところだった」の意。事実は「遅れなかった」。

 

2.望む事: 

  ①肯定:¶差点儿买mǎi到了。「もう少しで買えたのに」の意。事実は「買えなかった」。 

  ②否定:¶差点儿没买到。「危うく買えないところだった」の意。事実は「買えた」。

 

「望まない事」の場合,肯定・否定ともに結果が同じなのが謎です(でも日本語にも似たようなのが…「無礼極まる」と「無礼極まりない」は結局同じことですよね)。こんな複雑な事をぱっぱと考える中国人の頭脳はどうなっているのでしょう。“差点儿都dōu晕yūn了!”(もー,危うくめまいがしそう)。

 

 

15                              2010.12.24

北京にて。友達の職場へ電話するのが憂鬱でした。“麻烦máfan您nín,叫jiào一下yíxià王Wáng晓航Xiǎoháng。”(お手数お掛けします。王暁航さんを呼んで下さい)。肝心のお名前3字が難題です。[わん・しゃおはん]ではまず通じません。[わーん・しあおはーん]で2割ぐらい,最後は日本語のできる方が出て来て何とか目的達成…の日々でした。


ある時,本人の電話を聞いていますと,“您好hǎo!我wǒ王晓航。”(こんにちは。私は王暁航です[←名詞述語文])。おしまいの3字は[うわー・しあおはー]としか聞こえません。こんなのでいいのだろうか…と思いつつ,真似するようにしたら9割以上の確率で繋いで貰えるようになりました。やった!ngのコツを掴んだのか?と光が見えました。

 

 

14                              2010.09.27

同居していた中国人の“姐”jiě(お姐さん)に,いつも注意されていた中国語です。

 

お勝手で“姐”が苺を洗っていて,私に声を掛けます。“现在xiànzài吃不吃chī bu chī?”(今食べる?)。私は「食べる!」のつもりで,つい“嗯Ng!”(うん!)と答えてしまいます。すると“姐”が焦れて「だからー『“嗯”じゃ答えになってない』っていつも言ってるでしょ!食べるの?!食べないの?!どっちなの?!」。


“吃不吃?”と“吃吗ma?”は日訳は同じですが,答え方は違いますよね。反復形(前者)で尋ねられたら,はっきり“吃!”(食べる!)と答えねばなりません。肯定・承諾を表す“嗯”は便利ですが,生兵法は大怪我の基。骨折・脱臼・捻挫・打撲…いつも満身創痍です。

 

 

13                              2009.12.17

初級で習う語に“猪肉”(ぶた肉),“鸡肉”(とり肉),“牛肉”(ぎゅう肉)などがあります。1字で“肉”とだけ言えば,中国では普通「ぶた肉」を指すことも割に早い時期に教わります。一方,“肉馅儿”(ひき肉)はなかなか習いません。

 

“馅儿”は「細かく砕いたもの」を指します。語の並べ順が“×馅儿肉”にならないのが悩ましいところです。“猪肉”などとは発想が違って,「肉の“馅儿”状になったもの」と考えるのでしょう。

 

肉の形状を見てみましょう。「薄切り」なら“肉片儿”,「細切り」は“肉丝”,「ブロック」が“肉块儿”,「さいの目」は“肉丁”,…いろいろあります。“肉松”は何でしょうか。これは「肉のでんぶ」です。中国語の“松”には「緩い/締まっていない」「密集していない/ぱらっとしている/ほぐれている」のイメージがあります。「松葉を見なさい。針のようで,すかすかと透き間が空いているでしょう」と仰った先生がいらっしゃいます。…話がそれました…。

 

「赤身の肉」は“瘦肉”,「脂身」は“肥肉”です。“息肉”(ポリープ)も嫌ですね。スポーツを楽しんで健康な“肌肉”(筋肉)をつけたいものです。なお,この“肌”は「はだ」ではありません。「はだ」は“皮肤”で,この“肤”の日本字は「膚」です。簡体字“肤”は形声文字。体を意味する“月”(にくづき)に,声符“夫”を併せたもので,見るたび「よくできてるなあ」と思います。

 

今夜は“烤肉”(焼肉),“东坡肉”(ぶたばら肉の醤油煮込み),それとも“涮羊肉”(羊のしゃぶしゃぶ)? 食べ過ぎによる“长肉”(お肉がつく)にお気をつけ下さい。 

 

 

12                              2009.08.10

92年北京留学。すぐに“体育用品店”(スポーツ用品店)を探して,合皮の7号球を買いました。18元也。レジで“……应该怎么写?”(…はどう書きますか)と聞かれました。後ろの3字しか聞き取れず,頭の中は「???」。黙っていると“哪个学校?”(どこの学校ですか)。学校を教えないとボールが買えないのか…謎は深まります。紙に書いてもらって,ようやく“收据的抬头应该怎么写?”(領収書のあて名はどう書きますか)だと分かりました。語学力がないのはもちろんですが,「ボールを個人で買う人は少ない」ということに全く思い至りませんでした。想像力や洞察力がないと聴き取りも上手になりません。

 

学校の“球场”(コート)で“投篮儿”(シュート)や“带球”(ドリブル)の練習をしていると,中国の学生が寄って来てくれます。すぐに顔なじみになり,よく一緒に遊びました。みな男子で,あのころは本当にもてました。

 

1つのボールで大勢で遊んでいるうちに,幾つかバスケ用語も覚えました。シュートが決まると“好球!”(ナイス・シュート!)と声を掛けます。あの時の仲間は全員が「第2声+第3声」で発音していました。「第3声+第2声」ではありません。理由を聞きたかったのですが,そんな難しいことは言えませんし,ボールを追いかける方が面白くてとうとう聞きそびれてしまいました

 

 

11                              2009.04.21

北京の友人が家族写真を見せてくれました。曰く“我左边儿就是我爸”(私の左が父よ)。わたし:“咦?好像是女的似的,她真的是你爸吗?”(ええっ? 女の人みたいだけど,本当にお父さんなの?)。彼女:(ちっと舌を鳴らして)“你看哪儿呀!坐在我左边儿的这个人!”(どこ見てるのよ。私の左に座ってるこの人よ)。言いながら彼女の右にいる男性を指さしました。そうです。彼女は写真に写っている自分の立場で,つまり,レンズを見つめて座っている自分の視点を基準にして「みぎひだり」を示していたのでした。

 

街頭で道に迷いました。わたし:“请问!照相馆在哪儿?”(すみません,写真屋はどちらですか)。通行人の男性:“你看,再往前走,十字路口附近有邮局。照相馆就在邮局右边儿”(ほら,もう少し先へ歩いて,交差点のそばに郵便局があるんだ。写真屋は郵便局の右だよ)。わたし:“谢谢您!”(ありがとうございます)。    

 

郵便局はすぐに見つかり,指示どおり更に右へ進みました。しかし1ブロック歩いても写真屋はありません。おかしい…。ここでふと家族写真事件を思い出し,左へ戻りました。ありました。道を教えてくれた男性は,郵便局の立場に立っていたのでしょう。通りに面して立っている郵便局。男性も通りを見つめる視点で教えてくれたのだと思います。

 

 すべてこのパターンなら,それはそれで御しやすいのですが,まるきりあべこべに(日本式に?)説明する人もいて,とにかく注意が必要です。方角に強い方なら“东边儿,还是西边儿?”(東ですか,それとも西ですか)と方位で確認するのがよいかもしれません。もしくは“麻烦您,能不能帮我画张地图?”(お手数ですが,ちょっと地図を描いていただけませんか)とお願いするのもよさそうです。ご健闘をお祈りします。

 

 

10                              2009.02.05

丑年も早ひと月余。年初の目標が三日坊主になった方はいらっしゃいませんか。中国語の勉強に限らず,禁煙・禁酒・ダイエット…,この春節がチャンスです。今年のお元日は1/26(月),旧暦では年が改まってまだ幾日もたちません。仕切り直しに良い機会です。

 

お勧めする簡単な学習法は教科書本文の朗読です。大人になるとばかにしがちですが,言葉の基本はやはり音読と思います。1日に30回読むことはできませんか。20回ではどうでしょう。お煎餅などを20に割って用意して,1遍読むごとに1かけ口に放り込むようにすると楽しみながら練習できます。左党の方は水割り20口をちびりちびりやるのも良いでしょう。母音の口の開き・舌の位置・声調に気をつけて,大きな声でお読み下さい。20回も読んでいれば,暗記する気がなくても自然にそらんじてしまうはずです。寅年に代わるころにはほとんどの内容が口をついて出て来るようになるでしょう。だまされた…と思って試してごらんになりませんか。 

 

なお,仕切り直しの機会はまだほかに,新年度の4/1,GW明け,入梅,梅雨明け…とたくさんあります…。

 

 

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