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道案内中国語

第7回「ちょっと詰めていただけませんか」                           2020.7.14

 

最近の電車には、車椅子用のスペースがありますね。すいていればともかく、混雑時はそこまでたどり着くのも一苦労ということ、ままあります。

 

ある日の帰宅ラッシュちょっと前。やや混み始め、車椅子用スペースにも人が立っていました。そこへ車椅子の若い女性と、友人らしい男性が乗ってきました。

 

狭い車内、乗降するお客も車椅子をよけるのに難儀しています。2人の会話は日本語には聞こえず、どうも観光客のようです。そして、外国人客のよく使うターミナル駅はまだ遠く…。電車の音でよく聞こえませんが、もう中国語と決めつけ、声を掛けました。“在哪儿下车?”(どこで降りますか?)2人はこちらを見て驚き顔。発音が悪かったかしら? はたまた中国の方ではない? 英語で尋ね直すと「Ueno-Hirokoji(上野広小路)」との返答。いけない! 次は乗り降りの多い駅です。「すみません、こちらの方、上野広小路までだそうです。お詰めいただけませんか」と周りに声を掛けると、ラッシュ時の車椅子に正直困っていた様子の皆さん、ささっと場所を作ってくださいました。2人も駅へ着く度に車椅子をちょこちょこ動かすのは大変だったのでしょう、空いた場所にさっと移動していきました。2人の“Thank you!”に“Have a nice day!”と返し、私は地下鉄を降りました。

 

…これを書いていて、つくづく自分がおせっかいなんだなと思いますが…「お詰めいただけませんか」は中国語でどう言ったらいいのでしょう。

 

          ・往里靠一靠!Wǎng lǐ kào yi kao!(中へちょっと寄って)

 

“往”は介詞で「…へ(向かって)」、“里”は方位詞で「中/奥」の意です。

 

これとはまた違う状況ですが、ラッシュ時、長座席にゆーーーったり掛けていたり、ドア近くに大荷物で、やはりゆったり立っている外国の方を見かけます。「詰めてほしい」とも言えず、見知らぬ乗客同士が顔を見合わせ、ため息…なんてことも。これらの「お詰めいただけませんか」は

 

          ・你们靠一靠!Nǐmen kào yi kao!(あなた方、ちょっと寄って)

          ・东西往前靠一靠!Dōngxi wǎng qián kào yi kao!(荷物は手前にちょっと寄せて)

 

“靠”(寄る/寄せる)は自動詞/他動詞の両用で便利ですね。

 

車椅子のために「詰めてください」とは頼めるけれど、それ以外で「詰めて」なんて気がひける…自分がそっと奥に行けばいい…でも「通してください」と言わないと動けない時もありますよね。そんな時は

 

          ・不好意思!Bù hǎoyìsi!(恐れ入ります)

          ・借一下光!Jiè yíxià guāng!(ちょっと失礼します)

          ・让我过一下!Ràng wǒ guò yíxià!(私をちょっと通らせて[→通して])

 

“好意思”は「厚かましい」の意です。それを“不”で否定して「恐縮である」。“借光”は挨拶言葉で,ちょっとした頼み事に用います。“让”(…させる)は使役動詞です。“过一下”の替わりに“过去(一下)”もOKです。

 

会釈だけして体をねじ込むのもアリですが、ちょっとひと声掛ければ、お互い気分も違いますよね。「すみませんが/いただけませんか」などのクッション言葉はあえて省き、エッセンスのみご紹介しています。にらみつけず、にっこり笑って発音してください。

 

次回は「ここはJRの改札じゃありません」。

 

 

                  → 第8回「ここはJRの改札じゃありません」

 

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